美容師をすぐ辞めた話①<内定辞退編>

その昔、わたしゆづみそは、ほんのいっときだけ美容師をしていました。

大学を出たわたしは、「なんかまだ就職とか考えらんない」というクソみたいな理由で、どうにか就活せずに済む道を探していました。そこで思いついたのが、美容学校に進むという道です。わたしには幸い、長年美容師をやっている祖母がいましたので、「同じ道を歩みたい」という理由で、両親を説き伏せるのは簡単でした。我ながら本当にクズであります。

 

美容専門学校は、朝も早いし実技も筆記も勉強しなくてはならないし、それなりに大変でしたが、それなりに楽しく、2年の過程を終えたわたしは美容師国家試験にも合格し、めでたく美容師免許を手に入れることとなります。

 

そうして、2年ぶりにまた就職せねばならない時がやってきました。さすがに今回は就活しないとなぁと思いましたが、わたしは特に、有名美容室に就職したい!みたいな野望は微塵もないので、とにかく簡単に入社させてくれる美容室はないかと探し始めました。

美容室の採用方法ってほんとにピンキリで、何度も会社説明会に行って熱心さをアピールしないと採ってくれないだの、履歴書送付時に自分の全身とバストアップの写真も添付しないといけないだの、面接が何度もあるだの、実技試験があるだの、結構めんどくさいんですよ。でも、そういう方式を採用してるのは全国に展開してる有名チェーンだとか、原宿とか代官山にある有名店とかなので、わたしは「THE 街の美容室」みたいな小規模な美容室を探しました。そして1件、わたしでもイケんじゃね?みたいな甘そうな美容室を見つけて、早速面接へ行きました。スタッフ総勢10名程度の個人経営のお店です。そして、その場で内定を貰いました。なに聞かれたか覚えてないけど、「ハーイ、オッケー☆これからヨロシクねー☆」みたいな、ローラのようなノリで決まりました。わたしの就活はたった1日で終わったのです。

 

さて、社会人になることが急に決まったゆづみそですが、普通の会社員なら、例外もあるとは思いますが、入社って大体4/1からですよね。でも美容師は技術職。少しでも早くから技術を身につけるために、ほとんどの美容室が、内定決まったらすぐに練習に来いと言います。わたしは年末に内定を貰ったので、美容師国家試験(確か2月くらい?)の前に一度、営業時間後の練習においでと言われました。

ちなみに、わたしが内定を貰った後、わたしの内定の話を聞いた友人Mが「なにその緩そうな美容室!?私のことも雇ってくれそう!」と言ってすぐさま面接へ行き、そのまま内定をもぎ取って来たので、練習も彼女と2人で行けばいいから少しは緊張もほぐれて気が楽だなと思いました。しかし、わたしとMには欠点がありました。それは、重度の気分屋、そして面倒くさがりなのです。

そんなわたしたちですが、とりあえず1度くらいは参加しといたほうがいいよねということで、内定貰ってわりかしすぐに初練習に参加しました。先輩方に紹介されて、シャンプー練習をした気がしました。その日初めて会った社長(50代の若作りなワイルド系のオッサン)に「君ら2人とも姿勢悪いねー」と言われて頭にきたことだけ覚えてます。

その練習の際に、とてもフレンドリーな1年上の先輩がいて、「これからよろしくね!わたしTっていうの。よかったらアドレス教えてくれない?」と言われたので、わたしたちはアドレス交換をしました。

 

そのまま特に練習に参加することも呼ばれることもなく、年も明けて国家試験も終わった頃、T先輩からメールがありました。

「国家試験も終わって、一息ついた頃かな?来週くらいから練習に参加しませんか?」

とのこと。正直、一息どころか試験終わってすぐだったので、「え、もう!?もう少し休ませてよ!」と思ったので、

「こんにちは。労いありがとうございます!試験の結果が気になって眠れません(笑)練習の件ですが、昨日からインフルエンザになってしまい、来週からの練習には出られそうにありません。またインフルが完治しましたら連絡します」

と、大嘘を書いて練習開始を先延ばしにしました。本当にクズだな(笑)

↑のインフルメールを送った直後に、友人Mにこの一連の話を電話で伝えたところ、「私にも練習お誘いのメールきた!1人で練習行くの嫌だから、私もインフルってことにしよ〜。クラスで流行ってるって言えばいいよね!」と言っていました。ハイ、こいつもなかなかクズです(笑)

それから何度かT先輩は練習へのお誘いをしてきましたが、その度に適当な嘘をついて練習参加を拒み続けました。Mも同じで、それどころか「前に1度だけ練習参加した時に私、◯◯さんって人にシャンプーの練習台になってもらったじゃん。私なんかあの人無理だわ…あの店辞めようかな」とか言い出しました。辞めるなんてやめてよ!わたしまで辞めたくなってきちゃうじゃん!←

そして、T先輩からの練習参加催促メールは止みません。ついにわたしは、奥の手を使うことにしました。…そう、親類の抹殺です。わたしは練習に参加したくないあまりに、祖父(すでに鬼籍だったから許して…)を殺しました。

「T先輩すみません。実は祖父が急死したので、今母方の実家に来ているんです。色々あって、すぐ地元に帰れそうにないので、練習には出られそうもありません…」

T先輩はめっちゃ心配してくれました。本当に良い先輩だと思いました。騙してごめん。

そして、学校で会ったMにもチラッと、わたしが祖父を殺したことを話しました。めっちゃウケてました。その数日後、T先輩からMのところに練習来いよ連絡があったらしく、T先輩が「ゆづみそちゃんはどうしてる?」と探りを入れて来たようで、Mはとっさに「あー、ゆづみそはおじいさんが亡くなったとかでしばらく学校に来てないのでわかりません」と言ったらしい。M、デキる子…!!

 

長くなってしまったので、ここいらで結論を申し上げます。

就職、辞めました*(^o^)/*

色々考えた末、総支給額14万、雇用保険以外なし、新人のうちは休日月3日ではやってけんという結論に至りました。ですので、自ら殺めた祖父のことを理由に内定辞退しました。

祖父の死が急だったため、色々と問題が発生して母の実家に戻らねばならなくなって云々、みたいな嘘をついた記憶があります。何でやねん。なんで祖父が急死したからって親の実家に戻るねん。とか、ツッコミ要素満載ですがもう許してください。

同じくMも辞退しました。Mは田舎から上京して一人暮らしをしていたため、実際、上記の雇用条件ではやっていけないのではと親に諭されたようです。

 

本当にどうしようもない結末で、読者の皆様(いないと思うし、だからこそ書けるんだけどw)におかれましては、大変お呆れのことと存じますが、今後ともゆづみそをよろしくお願い申し上げます。かしこ。