婆さんの失言

わたしの父方の祖母は絶賛存命中で、80代半ばになります。半世紀以上美容師をやっていてまだ現役なので、美意識が高く、化粧も毎日するし、いまだにスカートもヒール(低いけど)も履きます。

猫が好きで、十数年前に飼っていた猫が病死してからは、自身が高齢なこともあって飼っていませんが、「ペルシャ猫しか飼わない」という美的センスの持ち主です。

こちらは関東、祖母は新潟に住んでいるため、年に1,2回しか会うことはありませんでしたが、それなりに可愛がってもらってると思います。

美容師なので、着付の免許も持っていて、着物にも詳しいので、わたしが成人した時の着物も買ってくれました。

ただちょーっと、無神経だったり、空気読めない?とこがあったりして、わたしのオカンがキレたりするようなことが、度々。ただ、わたし自身はそんなに祖母の迷惑行動/発言の被害を被ったことはありませんでした。

 

が、つい先日その祖母から信じられないことを言われ、いまだに「ハァ???」という気持ちが拭えません。

 

わたしは今年、第一子となる息子を出産したのですが、祖母にとっては初ひ孫になります。

わたしが妊娠する前からひ孫コールをしてきた祖母なので、妊娠報告をした時は、それはそれは喜んでくれました。

出産後は、産後1ヶ月経った頃にわざわざ息子に会いに来てくれ、かなりの額のお祝いをくれました。

それからも電話の度に「早くひ孫ちゃんに会いたいわ〜!」と言ってくれていたので、ひ孫の顔見せられてよかったなぁと、わたしは思っていたのです。

 

わたしは息子が生まれて以来、毎月息子のフォトブックをネットで依頼して作っているのですが、息子が0ヶ月の時と1ヶ月の時の写真が収録されたフォトブックを祖母の分も作って送りました。あんなに息子を可愛がってくれた祖母だから、絶対喜んでくれると思ったからです。

発送して数日後、祖母から電話がありました。

「ひ孫ちゃんのアルバム届いたよ。本当にひ孫ちゃんは可愛いわねぇ。わざわざひいばあちゃんの私にまでアルバム作ってくれてありがとう!嬉しいわ!」と言ってもらえて、送って良かったと思いました。その後の言葉を聞くまでは。

 

祖母は、「ゆづみそちゃん、これ聞いて怒らないでほしいんだけど…」と切り出しました。そんな前置きされたらビクッとなりますよね。わたしも恐る恐る「…ん?なに?」と聞き返しました。

祖母の発言内容を文章にしたらとてつもなく長くなったのでわかりやすく箇条書きにしたいと思います。

 

・ゆづみそが息子を産んでからすぐに、ゆづみそ母が祖母へ、ゆづみそ息子の写真を送った

・祖母はそれを見て「にくげな子!」と思った

※ご丁寧に祖母は「にくげ」という言葉の意味までこの時説明してくれましたが、新潟の方の言葉(?)で「可愛くない」という意味だそうです

・祖母は前々から祖母の妹から「ひ孫ちゃん生まれたらすぐ知らせてね」と言われていたが、にくげだったのがショックですぐ知らせる気力が起きなかった

・そうこうしてたら祖母妹から「まだ生まれないのか!?」と連絡が来た

・祖母は「生まれたけど…なんかにくげな子なの」と答えた

・それを聞いた祖母妹激「あんた自分のひ孫に何言ってんの!?大体、産まれたての子が可愛くない(多分ガッツ石松的な意味で)のなんてほとんどそうでしょ!なにもそのまま大きくなっていくわけじゃあるまいし、これから成長の過程で顔なんていくらでも変わるでしょうに!どうしてひ孫が生まれたなんておめでたいこと、すぐに知らせてくれないのよ!!」と、しこたま怒られる

・そんなことがあったけど、いざ実際に見た生後1ヶ月のひ孫ちゃんはめっちゃ可愛かった

・会いに行ってよかった

・またすぐにでも会いたい

・ひ孫ちゃんまじ可愛い

・あ、このことはゆづみそちゃんのお母さんには内緒よ(ゆづみそ母は怒ると怖いから。姑相手でも普通に怒る)

 

………。言う?普通ひ孫のこと「可愛くない」とか言う?しかもそれを、母親である孫娘に直接言う?

 

あのですね、正直「生まれたての赤ちゃんはそんな可愛くない」ってのは激しく同意ですよ。わたしも生まれたばっかの息子を見て、「…あー、こんな感じね。たしかにガッツ石松だわ」って思いましたもん。思うのは仕方ないですよ。でもそれを、産んだ張本人である母親に言っちゃいますかね?

100歩譲って、10年20年先に「実はあの時はにくげな子って思っちゃったの。でもこんなにイケメンに育って嬉しいわ!」って言うならまだ笑い話にできますよ。でもね、わたしがこれ聞かされたの、息子が2ヶ月の時ですよ。ショックなのはこっちですよ。まさか実の祖母に、息子のことそんな風に言われるなんて。

 

本当にショックだったので速攻オカンに告げ口しました。オカンは怒るを通り越して呆れていました。そしてそれをオトン(祖母の息子)に話したところ、オトンは「…まぁ、おふくろは、猫はペルシャ猫しか飼わないって人だからな」とこれまた呆れ顔だったそうです。

 

ついこないだ、息子のフォトブック3ヶ月目が届きましたが、今回は祖母の分は作りませんでした。いくら今は可愛いと思ってくれていても、例の発言は許せんです。祖母も、思ってしまったことは仕方ないけど、せめて心に留めておいて欲しかった…