K男の話03 -さらにみみっちぃ男-

ある時、K男と映画に行くことになりました。

その日はレディースデーで、女性は1,000円で映画が鑑賞できる日でした。自分だけ安いことに引け目を感じたわたしは、自分とK男の映画チケット代の合計を割り勘(1,000+1,800=2,800の割り勘…1人1,400円)しようと持ちかけ、みみっちぃケチクソ男であるK男は当然という様子でそれを受け入れました。

チケット売り場に着くと、K男が2人分のチケットを買ってくると言うので、わたしの分のチケット代1,400円をK男に渡そうと思いましたが、小銭がなかったため千円札2枚をK男に手渡しました。

チケットを買って戻ってきたK男は、お釣りを返してきません。

「お釣り返して」とわたしが言うと、バツが悪そうに500円玉を1枚、わたしに手渡しました。「1人1,400円ならお釣りは600円でしょ?」と言うと、奴は渋々といった様子で100円玉1枚を追加で渡してきました。

 

この男は、本来1,800円のところ、わたしの好意で1,400円の負担で済むようになったのに、さらにお釣りの600円をネコババしようとしたのです。信じられますか?こんながめつくてみみっちぃ男初めてです。

しかし、これすら許してしまったわたしはもっと愚かだと、今なら思います…。本当、過去の自分、しっかりしろよ!!

K男の話02 -みみっちぃ男-

K男の猛烈アプローチにより付き合うことになったゆづみそとK男。中距離恋愛でした。

わたしは都内の実家、K男はS玉県の実家に暮らしており、その距離は電車で3時間程でした。

うちから1時間、K男の家から2時間程度のところにわたしの大学があったため、わたしの学校終わりに会うときは大学方面の大きな駅で会うことが多くなりました。

わたしは定期券があり、定期代は親が出してくれていたので交通費0でしたが、K男は往復2千円程かかっていました。毎回2千円を負担させるのは悪いと思い、わたしは毎回半額の千円を負担すると申し出ました。わたしもバイトをしていたし、自分に会いにきてくれているのでそれくらいはと思ったのです。K男はその申し出を受け入れ、毎回その駅で会う際にはわたしから千円を受け取っていました。

それが毎度の習慣となっていた頃、その駅からK男と共に電車で別の駅に向かうことになったある日。K男は駅の券売機で切符を買うと言いました。この頃は定期もSuicaPASMOの時代。当然K男もICカードを使うと思っていたので、「え、切符?チャージじゃなくて?」と思いました。まぁでも、切符買うかICカード使うかなんて個人の自由なので、そこまで深く考えませんでした。

しかし、目的の駅へ到着し、改札を通るときでした。その駅はいつも会う駅とは比べ物にならないほど小さな駅で、改札数も利用客も少なめでした。わたしが改札にICカードを通して通過した直後、背後から「ピヨッピヨッ」という電子音が聞こえました。音のした方へ目をやると、電子音の原因はK男でした。そう、この男、なんと小人用の切符を購入していたのです。

利用客の少ない駅でしたから、当然駅員も電子音に気づきます。

「あ、ちょっと君!」

駅員はK男に声をかけ、止めようとしましたが、K男は「やべっ」と言うと一目散に駅の外へ出ていきました。

わたしは他人のふりをしようと、あえてK男の後を追うようなことはせず、ゆっくり駅を出て、あたりを見回すと、駅近くのコンビニにK男はいました。

わたしが問いただすと、K男は電車を使う際は毎回小人用の切符を買い、正規の電車賃の半額で電車を利用していたと言うのです。つまり不正乗車です。わたしに会いに、いつもの駅へ来るときも毎回。

不正乗車の常習犯というだけでドン引きですが、つまりコイツは、通常往復2千円かかる電車賃を半額の子供料金千円で利用していながら、わたしから千円を受け取っていたのです。つまりわたしだけが奴の交通費を負担し、奴は交通費0で通ってきていたのです。

信じられない。みみっちすぎるし、不正乗車は犯罪行為です。

…なのですが、若かったわたしはお花畑全開なので「そこまでしてわたしに会いにきてくれてたんだ!」と思ってしまい、今後は不正乗車しないし、わたしも半額負担はしないという約束で許してしまったのだった…ほんとにどうかしてるよわたしも…。あーぁ。

K男の話01 -エピローグ-

わたしが20代前半の頃から数年付き合っていた糞野郎の話を書きたいと思います。そもそもわたしがこのブログを作ったのは、こいつに対してのイライラをどこかに書き殴って発散したいからなのですが、ムカつくエピソードがありすぎて、どこから手をつけたらいいのかわからず…でもいよいよ書いてやろうと思います。

当時は好きで付き合っていたと思うのですが、今はなんであんなのと付き合っていたのか、当時のわたしを殴りに行きたいくらいの黒歴史となっています。

今だに思い出しては「あーあいつ死んでねぇかな」と思ったりしています。

ブログに書くことによって少しでもこのイライラとモヤモヤを浄化出来れば良いのですが。

 

大学に通っていた頃、友人のバイト先に遊びに行って出会ったその男。名前をK男とでもしましょう。無論、「クソ男」の「K男」です。わたしは、細身の男性が好きなのですが、K男は、太っているわけじゃないけど油断するとすぐ太るタイプっぽい中肉中背の男でした。まったくタイプじゃなかったのですが、彼からアプローチされて付き合うことになったのです。

K男は、わたしと同じ年で、実家住みの大学生でした。…初対面の時の彼の自己紹介ではそう言っていましたが、実際付き合い始めた頃には大学を中退してニート状態でした。退学した理由は知りません。

そんなわけで、ニートの彼にはお金がなく、初デートから割り勘でした。わたしはデート割り勘には肯定的な方ですが、今思えば、初デートくらい奢ってくれ、せめて奢る姿勢くらい見せろよって感じです。でも当時は「こういう人もいるのね。今無職だししょうがないか」と思ってしまったのです。

 

話は合いましたし、一緒に居るのは楽しかったです。でもだんだんと、「ん…?」と思うようなことが積み重なっていったのです。

全て書いていくとかなりの長文になってしまうので、細切れに書いていきたいと思います。今回はこれにて完!

やわらか銀行と電話番号

5,6年前の話でしょうか。

大手携帯キャリア会社某やわらか銀行にて、新規でiPhoneの契約をしました。

わたしのスマホ人生は遅咲きでしたので、これがわたしのスマホデビューでした。

帰宅して、何から設定しようかとわくわくしながらiPhoneをいじっていると、着信がありました。

わたしはつい先ほどiPhoneを入手したばかりで、MNPなどでなく完全に新規で契約をしたので、新しい電話番号が付番されました。そしてまだ誰にもiPhoneの電話番号を教えていません。恐らく知り合いからの着信ではないでしょう。しかし、着信があったその時ちょうどiPhoneをいじっていたわたしは、誤って通話ボタンを押してしまいました。

「あ、やべぇ、出るつもりなかったのに!」と焦ったわたしは、とりあえずiPhoneを耳には当てたものの、言葉を発さずに相手の様子を伺うことにしました。すると相手は、

「もしもし?あれ?もしもし、村田さん?」

と言いましたが、残念ながらわたしの名字は「村田」ではありませんので、相手にそのように伝えました。相手は大変恐縮した様子で謝ってくれ、電話は切れました。

わたしのiPhoneの通話バージンは、間違い電話によって奪われたのです。別にいいけど。

 

しかし、その翌日や翌々日…連日間違い電話は来続けました。電話を掛けてくる相手は毎回違う人のようですが、皆決まって「村田さんの携帯ですよね?」と言いました。

恐らく、わたしに今回与えられた電話番号は以前村田が使っていて、村田が携帯を変えたかなんかで電話番号を放棄したにも関わらず、まだその連絡を関係先にしていないのでしょう…迷惑な話です。また、電話をかけてくる人達が皆ビジネスライクな口調なので、村田は営業マンで社用携帯としてこの番号の携帯を使用していたのでしょう。

わたしがこのiPhoneを契約したのは、ゲームアプリをしたいがためでした。元々使っていた別キャリアのガラケーはまだ所持しており、メールや電話はガラケーiPhoneはアプリ専用にするつもりだったので、iPhoneの電話番号は誰にも教えていません。それなのにiPhoneに間違い電話がかかって来るため、ゲームアプリで遊んでいる時に着信→間違って電話に出てしまったり、アプリが中断されることなどが度々あり、頭に来ていました。

 

そんな時、今度はわたしのiPhone宛にショートメール(電話番号宛に送れるメール)が送られてきたのです。内容は「少し遅れます」。

 

はあああああああ!?

知らねぇよ!!!

お前誰なんだよ!!!!

こっちは誰とも何の約束もしてねぇんだよ!!!!

クソッタレエエエエエエエエエ!!!!!!!!!

 

ということで、完全に頭に来たわたしは、やわらか銀行へ苦情の電話をしました。

もう何年も前のことなのでうろ覚えですが、その際のやりとりを以下に記します。

 

わたし(以下 わ)「こないだ新規契約したiPhoneに、知らない人から村田って人宛の電話がしょっちゅうかかって来ます」

やわらか銀行(以下 や)「ご迷惑をおかけしております。弊社では、どなたかが使われなくなった番号を再利用しておりまして…」

わ「それは知ってます。それにしたって間違い電話や間違いショートメールが多くて困ってます」

や「失礼致しました。そうしましたら、弊社ショップ窓口にて電話番号の変更が出来ますので、お手続きをお勧め致します」

わ「わかりました、そうします」

や「番号の変更手続きには手数料がかかりまして…」

わ「え、お金取るんですか?」

や「そうですね、事務手数料として◯◯円が…」

わ「え、おかしくないですか?わたしの都合で番号変えるんじゃないですよ?」

や「…おっしゃることはわかりますが、番号の変更をされるとなりますと手数ry」

わ「わたしもそちらの言いたいことはわかりますよ。番号変更にお金がかかる道理はわかります。でも今回は、そちらが勝手に付番した番号のせいで迷惑電話に悩まされてるから番号を変えたいのに、それの手数料を何故わたしが払うんですか?」

〜約10分後〜

や「…わかりました。上に確認して参りますので、少々お待ちいただけますか?」

わ「はい、待ちます」

〜数分後〜

や「お電話変わりました、やわらか上司(40代くらいの男性)と申します」

わ「はい」

や「お話は先程の担当者から伺いました。この度は大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。今回に限り、番号変更の手続き手数料を無料とさせて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか?」

わ「是非そうしてください(やったああああ勝ったぞおおおおお!!!)」

や「かしこまりました。そうしましたら、大変お手数ですが、弊社のショップ窓口にて番号変更のお手続きをして頂けますでしょうか」

わ「わかりました」

や「その際にですね、窓口担当から手続きの手数料のご案内があると思うのですが、その時に手数料を無料にさせて頂く件はおっしゃらないで頂きたいのです」

わ「それは良いですけど…それで本当に手数料かからないんですか?」

や「はい。手数料は翌月の携帯ご利用料金と合算してのご請求になりますから、窓口でお支払い頂くことはありませんし、ゆづみそ様のデータはこちらで把握しておりますので、手数料分は請求がいかないように処理させて頂きます」

わ「そうですか。無料になるならなんでもいーです。どーもでした☆」

 

というわけで、基本ヘタレなわたしですが、今回の番号変更はわたしには一切落ち度はないと思っておりましたので、どうしても手数料(たしか3000円くらい?)を払うことに納得できなかったので、最初電話対応してくれたお姉さんにはかなーりしつこく粘りました。

しかし、窓口のスタッフに手数料無料のことを言うなっていうのはどういう意味だったんでしょうか?そんなに手数料無料にするのって、やわらか銀行的にNGだったのかな?だとしたら、やわらか上司さん達にはかなり無理させちゃったんでしょうか…でもわたしは悪くないし…(´・ω・`)

こういうこと(新しい番号に、前の利用者関連の電話がかかってくる)って、割とあるんじゃないかと思うんですが、みんな自腹切って番号変更してるか、間違い電話我慢してるの…?わたしの場合、間違い電話が1,2件なら着信拒否して放置するところですが、連日異なる発信元からかかってくるので、鬱陶しいったらなかったです。

ちなみに番号変更後の請求書を確認したところ、たしかに手数料はかかってませんでした。

 

めでたしめでたし。

マツエクモデル

すっごい小さい話なんですが。未だに根に持っている話。

 

美容師を辞めてニートしていた時のこと。

ある日突然、専門学校のクラスメイトのNちゃんから連絡がきた。

専門学校卒業後、Nちゃんは紆余曲折を経て、マツエク屋さんに就職したばかりでマツエクの練習モデルを探しているということだった。

Nちゃんとは正直、別に仲良くも悪くもなく、完全なるただのクラスメイトだったので、そんなNちゃんがわたしにモデルを頼んでくるとは、よほどモデル確保が大変なんだろうなぁと思った。それに同情したのと、マツエク処女で興味があったこと、施術代無料、ニートで暇…ということで、マツエクモデルを引き受けることにした。

 

Nちゃんから指定されたある日の午前11時、わたしはとある都心の街にいた。雑多でどこからともなく下水の臭いの立ち込める、わたしの大嫌いなこの街に、彼女の勤めるマツエクショップがあった。

Nちゃんによると、マツエクの施術は2時間程度で終わるとのことだったので、終わったら実家の母と待ち合わせて遊びに行くことにした。この頃のわたしは、実家を出て当時の彼氏と同棲を始めたばかりだったため、実家恋しく、母と会うのが楽しみだった。何なら、Nちゃんのマツエクよりも、母と会う方がメインと言っても過言ではなかった。

 

11時数分前、わたしはやっと見つけたとある雑居ビルのエレベーターに乗り込んだ。Nちゃんの勤めるマツエクショップの階に着き、エレベーターの扉が開いた。わたしの嫌いな、「エレベーター降りたらもう店内」方式の店で、店の床に降り立った途端、目の前のカウンターにいたお姉さんに「いらっしゃいませー♪」と声をかけられた。

「ご予約のお客様ですか?お名前をお願いします」と言われたので、Nちゃんのモデルだと伝え、名乗った。受付のお姉さんはそれまで営業スマイルをしていたのに、急に能面みたいな無表情になり、「あー…お待ち下さい」と言って店の奥へと消えた。客には営業スマイルするけど、後輩の練習モデルは客じゃないから能面でいいやってことか?随分愛想の悪い店員だ。

しばらくするとNちゃんがやってきたので、わたしは満面の笑みで「あ、久しぶりー!」と言った。対して仲良くない間柄でも、知人に久しぶりに会うというのはテンションが上がるものなんですね。対してNちゃんは、眉間にしわを寄せながら小声で「どうしたのゆづみそ。ゆづみその予約は13時よ」と言ってきた。

え、嘘。時間間違えた…!?確認する暇もなく、店を追い返された。

建物の外に出て、Nちゃんとのモデル予約のやりとりメールを確認したが、Nちゃんからのメールには「それじゃ、◯月◯日の11時によろしくね!」と書いてあった。時間を間違えているのは彼女の方だった。

あと2時間も、この嫌いな街で時間を潰せと…?ていうか、13時から始まって2時間後では、ほぼ夕方だ。母との約束をキャンセルするしかない…。わたしの中では、母と会う方がメインディッシュだと言うのに…。もういっそ、このままマツエクモデルはなしにして帰ってしまおうか、とも思った。しかし、Nちゃんは今の時間もモデルへの施術をしているようだった。連絡がつかない。このまま帰ったらドタキャンクソ野郎になってしまう。それは流石に悪いと思い、母へキャンセルの連絡をして、わたしは近隣のネカフェに篭った。ネカフェなんか来る予定なかったのに、予想外の無駄な出費だ。Nちゃんに請求してやりたいくらいだ。

 

2時間たっぷり無駄な時間を潰し、再度Nちゃんの店へ向かった。受付にはさっきとは違うお姉さんが待ち構えており、やはり最初はニコニコしていたのに、Nちゃんの練習モデルだと伝えると能面になった。「モデルは客にあらず」を信条としている店なのか。はたまた、Nちゃんが店で嫌われていて(うわ、あいつのモデルかよ…丁重に扱うこたぁねーな)とでも思われているのか。いずれにしてもろくでもない店には変わりない。

例え今日は儲け0の練習モデルでも、それで気に入れば今後客として常連になる可能性だってあるのだから、初対面のこの時に愛想を良くしておかずにいつするの?今でしょ!って言ってやりたい。

 

さて、今度は時間も合っていたようで無事に奥の施術室に案内された。最初にマツエクの種類をどれにするか訊かれた(と言っても練習モデルなので、特定の数種類しか選択肢はなかったけど)が、マツエク処女のわたしは何もわからずおまかせにした。

そして2時間後、マツエクは完成した。完成度についてはあまりよく覚えていない。←

ただ、びっくりしたことに、施術中彼女はほぼ喋らなかった。彼女の口から出た言葉と言えば、「目瞑って」を数回言われただけだった。 

たしかに、練習モデルだから営業トークをする必要はない。まだ下っ端だろうし、練習モデルとは言え友人とキャッキャすることは、先輩達の手前やりにくいかも知れない。でも小声で近況くらい聞かね?わたしなら聞きますけどね…。

施術が終わった後も、次の練習モデルがやって来る時間が迫っていたようで、一言二言感謝を述べられて退店させられた。こっちは遠路はるばる、しかもあなたの連絡ミスで2時間無駄にしながらも練習に付き合ったのになぁ…。

その夜、「今日お店で伝えるの忘れちゃったんだけど、マツエクしてる時のクレンジングは、オイルクレンジング以外でやってね♡」とメールが来たが、そんなもんとっくに帰る途中で調べてオイルフリークレンジング買ったわ!

 

で、結局肝心のマツエクは、数日経った頃からチクチク痒くてどうしようもなく、お店でオフしてもらうなんて待ってられないので手でむしり取ったら自まつげも抜けて散々でした。タダでやってもらったし、彼女はまだ見習いの身なので出来栄えをどうこう言うつもりはないけど、施術から1ヶ月程経った頃、Nちゃんからまた連絡が来て「マツエクどー?まだついてる?良かったら無料で量追加できるけど、またモデルお願いできない?」と連絡が来たのにはけっこうイラッとしました。

(あのさ、見習いのマツエクが1ヶ月経っても付いてるわけないでしょ?)

(またあの無愛想揃いの店まで出向けっての?冗談じゃないわ!) と。

 

【結論】

タダより高いものは無い

美容師をすぐ辞めた話③<N実攻略編>

というわけで、わたしはエクステ専門店に就職をしました。都心の店舗で、スタッフは以下の面々。

 

・店長…20代後半。ナヨナヨしていて男の癖にヒステリック。

・N実先輩…店長に次ぐNo.2。歴が長いだけ。店長よりヒステリック。超怖い。仲良しにはぶりっ子。

・Y太先輩…優しい。イケメンらしい。

・S奈先輩…優しい。毒舌。

・A子先輩…思ったことは何でも言う。

 

わたしはコミュ症の内弁慶なので、ひとたびそのコミュニティに慣れてしまえばやかましいお喋りキャラになるのですが、すでにコミュニティが完成されてるグループにひとり放り込まれるのがものすごく苦手で、慣れるまでに時間がかかります。この時もそうでした。ていうか、この人たちが仲よすぎて疎外感が凄かったのと、全員キャラが濃すぎて攻略に時間を要しました。

そして、1番の難関がN実先輩でした。

 

このN実先輩は、すごい尽くし型というか、自分の気に入ってる人相手にはぶりっ子&めっちゃ尽くす人で、例えば誰かが「前コンビニで売ってた◯◯ってお菓子、めっちゃ好きだったのに売らなくなっちゃった」なんて言えば、翌日にはN実先輩が買ってきて、「たまたまうちの近所に売ってたから買ってきたよ♪」みたいな人でした。が、自分が認めてない相手には鬼のような人でした。

入社したばかりのわたしは、当然まだ認められていないので、N実先輩の目の敵にされて毎日怒られていました。

怒り方も、他の人と話す時より3トーンくらい低い声で、「ゆづみそちゃんさぁ…」と始まり、わたしの真ん前にいるのにこちらと目を合わせることもなく、だだだだっとダメ出しをしてきます。内容は、理不尽ではないですが、それには理由があるんだっていうこっちの言い分は、「言い訳はいいから。」と一蹴して一切聞き入れてくれません。

 

N実先輩に言われて1番カチンときたこと、納得できなかったことを発表しますと、わたしは人に嫌われるのがすごく怖いので、新たなコミュニティに属した時、とにかく無礼を働かないようにしようと思っているので、先輩にタメ口とかあり得ないのですが、入社して1週間くらい経った頃でしょうか。N実先輩と2人きりの時に、「ゆづみそちゃんって敬語使えるんだね。いつもタメ口だから心配してたんだけど、安心した」と言われました。

先程も書いたように、そのようなことは絶対あり得ません。ただ、この会社の特徴なのか、先輩後輩店長ヒラ社員とか関係なく、タメ口で和気藹々と話すのが普通らしく、わたし以外のスタッフは歴とか関係なくタメ口で喋っており、ひとり敬語を使うわたしはとても浮いていました。なので、空気を壊さないためにも敬語0はないにしても、程よくタメ口もきいた方がいいのかどうなのかと悩んでいた時だったので(悩んでいただけでまだタメ口きいてません。当方、そんな度胸もないヘタレでございます)、N実先輩のこの発言は「お前馴れ馴れしくタメ口とかきくんじゃねぇぞ」という牽制なのだなと理解しました。

 

とにかく恐ろしいN実先輩。ヘタレでコミュ症なわたしは、N実先輩に近づくと怒られるので、近寄らないことにして、他の優しそうな先輩を先に攻略しようと考えました。結果から言いますと、この攻略法を選んだのは致命的なミスでした。

恐ろしいN実先輩は、新入りのゆづみそが、自分を差し置いて他のスタッフと仲良くするのがお気に召さない様子で、ますます鬼と化してゆきました。美容室内ですれ違った時などに、内容は忘れましたがボソリと嫌がらせを言ってきたりするようになりました。恐ろしい。本当に恐ろしい女です、N実。

 

恐ろしさとつらさのあまり、この美容室ではお昼休憩などに外に出ることすら許されず、美容室奥の狭いバックヤードで朝に買ってきたお昼を搔っ食らうのですが、買ってきたジュースのパックの「製造:◯◯株式会社△△工場」みたいなのを見ながら「この工場にも、わたしみたいに職場に馴染めなくて悩んでる人いるかなぁ…」とか思う毎日でした。N実のせいで半分病んでましたね。

 

とにもかくにも、N実を差し置いて他スタッフと仲良くする作戦は失敗です。これ以上この作戦を続行すれば、N実先輩が憤怒の鬼と化してしまいます。それは何としてもご遠慮願いたいものです。行き詰まり悩んだ末、わたしはついに、N実先輩攻略に着手する決意をしました。

これが無理ならもうこの店辞めてフリーターでもしようと思いました。

しかし、相手は鬼のN実です。下手な手を打つと八つ裂きにされかねません。わたしはN実攻略の糸口を見つけるべく、しばらく出勤中は常にN実と他スタッフの会話を盗み聞きしていました。結果、奴の弱点を見つけました。それは、奴がディズニー大好き芸人ということです。N実はディズニーがとにかく好きで、年パスも持っててひとりでもパークインするほどのディズニー狂。数少ない休日も半分はディズニーで過ごしている様子。休み明けにはディズニーの話ばかりしています。しかし、他スタッフは全くディズニーに興味がない様子。皆「へー」「はーん」「ふーん」という反応です。これです。これしかありません。わたしはディズニーはそこそこ好きで年に2,3回は行っていたので、全く興味のない他スタッフよりは、ディズニーの話に乗れるはず…!!

N実は、大体わたしのことは無視ですが、気分屋なのでごくたまにめちゃくちゃ機嫌の良い時だけ、普段の確執が信じられないくらいのテンションで話しかけてくる時があります。その時がチャンスです。

 

結果から言います。作戦は成功しました。わたしがディズニーに興味あることを知ったN実は、日に日に態度を変えてきました。わたしの知ってるディズニー情報では「あれいいよねー!」と盛り上がり、わたしの知らない情報は、事細かに教えてくれるようになりました。N実が休日にディズニーに行くと、皆にお土産でディズニーのお菓子を分けてくれるのですが、わたしにだけダッフィーのキーホルダーを買って来てくれるまでになりました。

 

他スタッフはそれまで、新人であるわたしと仲良くしてくれようとしていたようですが、そうするとわたしに対するN実の態度がひどくなるため、あえてわたしとあまり関わらないようにしていたのを後で知りました。N実がわたしに心を開いたことで、他スタッフとも仲良くなることができました。

 

N実の中で、確実にわたしの存在は大きくなっていました。営業終了後に2人きりで飲みに誘われることもあったし、2人でショッピングに行くと「お揃いコーデしようよー♪」と言って、わたしの買った服の色違いを買っていました。これはとても嫌でした。

 

入社して約2年、わたしはこの店を辞めることになりますが、その時もみんなでの送別会の他に2人きりで送別会を開いてくれ、わざわざ「ゆづみそちゃん おつかれさま!」というプレートのついたケーキをくれました。しかも泣いてくれました。

「お店辞めても、仲良くしようね。飲み会行ったりディズニー行ったりしようね」と言ってくれました。わたしもうるんだフリをして「うん、うん…」と言いました。

でも、結局退社後1度も彼女と会っていません。だってわたしは忘れていないから。入社直後のストレスフルな日々を。鬼のN実のご機嫌を伺っていたつらい日々を。

当時のスタッフはすでにほとんどが退職していて、今は他の美容室で働いていたりして、たまに髪を切ってもらいに行ったり付き合いありますけどね。

 

なので、わたしはどこへ行っても、新人さんには優しくしようと決めています。嫌な先輩にだけはならないように。N実先輩は、一生わたしの反面教師です。

美容師をすぐ辞めた話②<再就職編>

先日、練習がだるくて内定をもらった美容室を入社前に辞めちまった話を書きました。本当にクズでしたね。今回はその後の話です。

 

美容室の内定を蹴っ飛ばしたゆづみそですが、美容学校まで行ったのに就職しないのはさすがに親に申し訳ないので、次なる就職先を探すことにしました。そうして、美容師向けの求人情報を漁っていると、こんな求人を見つけました。

 

・エクステ専門店

・美容師免許必須、新卒歓迎

・エクステ編みは難しくないので、すぐ客に付くことができる。普通の美容師のように、客に付くまでに長い練習を経たり、試験を受ける必要がない

・だから営業時間外の練習なし

・給与25万〜、厚生年金など各種保険あり

・月休み4日〜

 

めっちゃ良くないですか?わたしが嫌だった居残り・早出練習もない上に、待遇も良い!美容師なんて、新卒のアシスタントだと月給十万円代前半とかザラですからね。厚生年金も健康保険もないようなとこ多いです。月の休みも3日以下だったり、一見多くても休みの日でも練習は出ないといけないとか、なんの苦行だよっていう業界ですからね。

美容師になるのが小さい頃からの夢で、カリスマになって、いつか自分の店を持つんだ!みたいな夢に向かってる人には頑張れることなんでしょうけど、わたしはこんな性格なので、そもそも美容師は向いてなかったのです!(じゃあ美容学校行くな)

 

そんなわけで、速攻このエクステ専門店に電話をして、面接の約束を取り付けます。面接は、就職希望店舗にて行われました。書くの忘れたけど、全国展開してるチェーン店でした。面接官は韓国人の男性。若干カタコトでしたが、爽やかで優しそうな人でした。「日本語お上手ですね」と言ったらとても喜んでいました。

面接の最中、親の職業を聞かれたので「電機関係の会社で…(よく考えたら父親の仕事なんてよく知らんかった)」と言ったところ、「電機会社のシャチョさん?」と言われたので、「イエイエ、とんでもない、ただの営業職です。所長?かな?」と言ったら、「アナタの話聞く姿勢がとても素晴らしいノデ、シャチョさんの娘さんかと思タヨ!」って言われました。褒められたんでしょうけど、「話よく聞くから社長の娘」という理屈はよくわかりません。

この韓国人の人から得た情報をまとめますと、

 

・この会社の社長は中国人で女性

・自分(韓国人)は、社長の妹の旦那で副社長をやってる

・日本で外人が会社を起こす場合、条件が厳しい

・だから美容室なのに保険など福利厚生が充実している

・従業員はみんな日本人だから安心シテネ

 

とのことでした。こんなこと書いて炎上したら嫌ですけど、正直今のわたしは中国人と韓国人はかなり嫌いです。なので、今ならこの話聞いた時点でこんなとこ就職しません。でもこの時のわたしは特に中国人にも韓国人にも悪いイメージを持っていなかった(中国人や韓国人と接したこともなかったし、政治や世の中のことも何も知らない小娘でした)ので、「えー、外人が会社起こすと大変なんだー。でもそのお陰で福利厚生ちゃんとしてんの、まじ得じゃねー?」くらいに思ってました。なので、後日韓国人から内定を頂き、有難く就職させて頂くことになりました。

これにより、わたしは中国人と韓国人が大っ嫌いになってゆきます。

 

ちなみに、前回の美容室に内定決まった時に、とても喜んでくれたうちのオカンでしたが、そこの辞退とかは親にも言わず勝手にやって、後日「もっと条件の良いエクステ専門店に就職するわ」と言ったら「あらそうなの」って感じでした。父親は空気です。